ハント症候群 体験談

顔面神経麻痺

麻痺は左側
麻痺は左側

顔面神経麻痺には、いくつかの種類があります。

ハント症候群の場合は、ヘルペスウイルスが原因になり顔面神経が侵される事でおこります。一般的に予後が悪く麻痺が残る可能性が高いことで知られます。治療はステロイドと抗ウイルス薬の投与、特に予後不良の場合は手術・リハビリが行われます。

私の場合 2015年4月発症

土曜日の午前、右側の瞬きが頻回に起こり、ピクピク引き攣れるのが気になり始めました。「最近パソコン作業を夜遅くまでしていたせいで疲れているのか?」「頭痛もあるし、体調悪いか?」少し休息とろうと夕方少し眠りました。夜になり家族に「顔がおかしい。」と指摘されて鏡を見ると、左側の顔が垂れ下がり動かなくなっていました。

後でよくよく思い返すと、前日から耳に痛みがあった事。頭痛は、ピリピリ神経痛が走る様だった事。でも、ヘルペスやハント症候群は全然思いつきませんでした。それらの症状については2日後診断がついてから思い出したのです。

麻痺に気が付いてすぐ、総合病院の救急外来に受診。頭部CT・MRIを受け、脳血管障害は否定。顔面麻痺が考えられるが土曜の夜間帯で、耳鼻科の診察はなく月曜日まで治療は受けらませんでした。月曜日に耳鼻科でハント症候群と診断され、お昼頃からようやく内服治療を開始しました。

内服を始めてもすぐに症状が良くなるわけではなく、麻痺した側はピクリとも動きません。大量の薬で口と胃は大荒れしましました。でも、できる事は内服する事だけでした。

麻痺があると瞬きが出来ません。ずーっと目は開きっぱなし。涙も出せません。右目の瞬きが止まらなかったのは、左目が乾いていたからだったんです。目薬をさし、眼帯を当てて瞼を抑えて乾燥しない様にしました。口も左側半分は動かないので、食べる・飲むも工夫が必要でした。うまく呑み込めず誤飲の苦しみも味わいました。鼻くそも出ないです。顔面神経の働きを失って初めて知る事となりました。

3週間ほど経過しても目を閉じる事が難しくほぼ動かない状況「回復がよろしくない。」ということで、手術の可能性も視野に入れて専門医のいる大学病院へ転院となりました。ありがたい事で、そのころからやっと回復がみられ手術は免れました。緩やかに回復して生活に支障がない程度にはなりました。

左右差がかなり残ったまま 1年後治療はあっけなく終了。「これ以上は、良くなることも悪くなることもない。」「大きな口を開けて笑ったりしなければ目立たないから。」という説明でした。

顔が元通り治らない事より、相談先がなくなってしまったことが寂しくて少し凹みました。

麻痺の部分は筋肉が硬くなるので、こまめにマッサージをしてほぐすことは続ける必要があります。最初は右側(健側)に引っ張られていた顔は、左側(麻痺側)のこわばりで左に引っ張られます。動かさない筋肉は痩せて張りがなくなりました。美容の面だけでなく、左右差があるとしゃべる事にも不自由さを感じて疲れます。不意にむせてしまったり、怖い顔なので相手に気を使わせたり、じわじわと後遺症が効いてくるのです。

顔のマッサージ 首のマッサージ 変顔でストレッチ 口の中のマッサージ は毎日続けています。 

首の施術を受ける事も有効だと思います。

顔の筋肉のバランスが崩れる事で首の関節のバランスも崩れます。骨の歪みで筋肉が動かなくなると、回復にも影響します。一度ダメージを受けた筋肉は回復する過程で不自然に歪みをつくります。私の場合は、首の調整で回復が飛躍的に良くなりました。

専門医師からの「こまめにマッサージするように。」という指示は、引き攣れで歪みがひどくなると、筋肉の回復を邪魔するからでしょう。私は、ゆがみを施術で整えて貰えたので、治療終了した後からも回復できました。

(首の施術は、高い技術を要するので安易に受ける事は注意が必要です)

今は、時々お口がついてこれず、活舌がわるかったり、たまに瞼がしっかり閉じられず、洗顔せっけんがまともに入ってしまう等凹む事もありますが、通常の暮らしができています。ありがたいことです。

女性だから顔の変形はかわいそう・・・と扱われたりしました。しかし、私自身は、今のところ特別悲観する事もなく過ごしています。家族や周囲の人達が、その様に接してくれていたからでしょう。不意に身体が不自由になるなんて、誰にでも起こりえる事です。私は顔半分の表情をなくしました。それだけの事です。

私の体の中にはヘルペスウイルスが静かに暮らしている。そいつを起こさない様に、免疫力を上げ健康的に過ごし、チャレンジし続けようと思います。

発症してから2年半になりました。同じ病気になった方に少しでも役立てばと体験を書いてみました。


 2017年10月